石膏の特徴と用途


石膏の原料

●天然石膏(石膏原石)

鉱物としての石膏原石(CaSO4・2H2O)を粉砕し、脱鉄して製造する。

●化学石膏

硫酸塩とカルシウムを人工的に結合させ石膏を製造する。
化学石膏にも排脱石膏(排煙脱硫石膏)、副産物石膏(製造工程で廃棄物として出てくる硫酸塩と結合させるもの)、化学合成石膏(良質の焼石膏を製造するために製造された合成石膏で、純白に近い良質合成石膏を製造しているのは、日本だけである。)

硫酸塩 + Ca 塩 → CaSO4・2H2O

硫酸塩:・芒硝 ・硫酸 ・亜硫酸 ・硫安 など

Ca塩:・塩化カルシウム ・炭酸カルシウム ・消石灰 など

化学石膏:・芒硝石膏 ・PAC石膏 ・排脱石膏 ・有機酸石膏 ・製塩石膏 など

 焼石膏の原料は、前記で記したように天然石膏(石膏原石)と化学石膏(合成石膏)がありますが、いずれも2分子の結晶水を含んだ硫酸カルシウム(CaSO4・2H2O)です。
 わが国では良質の天然石膏の産出がなく、現在ではモロッコ、中国、タイ、メキシコ、オーストラリアなど世界各国から輸入し主原料としています。原石の石膏は原産地によって、また、その産出する山によって品質に違いがあるため(色や含有物など)使用用途によって使い分けなければなりません。
 そのような理由から高品質の化学石膏が生産されるようになり、品質を要求される用途には広く化学石膏が使用されるようになりました。
 また、生成方法として平釜常圧で生成されるβ型石膏と加圧釜(オートクレーブ)で生成されるα型石膏がありますが、化学石膏で生成したα型石膏が最良の品質と考えられています。