石膏の特徴と用途


石膏の凝結硬化機構

半水石膏(焼石膏)は水と反応して、次式のよう二水石膏(石膏)となります。

CaSO4・1/2H2O + 3/2H2O = CaSO4・2H2O

 この反応は発熱反応で、β型焼石膏は4600cal/mol、α型焼石膏では4100cal/mol といわれています。反応に必要な水の理論値は、石膏100 に対して18.6%ですが、実際にはこのような少ない水の量では操作性(作業性)が悪いので、操作性を良くするために、理論値よりも10 ~ 60%多い水が使用されています。
 焼石膏に水を加えて撹拌しますと、水和反応により多数の二水石膏の針状結晶が生成して、互いに交錯し合い凝結硬化します。このため前述の発熱と共に膨張現象が起こるのです。
 歯科用の石膏の場合、薬品を添加し硬化時間、膨張抑制、強度、また硬化曲線などを調整し、より精度のある作業しやすい石膏を研究しています。