石膏利用の質問
33)加力点平坦化材(キャッピング用石膏)の作業手順
回答

1)鉄板のベース面に対して、垂直の枠にコンクリート試料をはめ込んだ状態にしてから
  上面の水平を出すための加力点平坦化材(キャッピング材:ニューゾ―ロックスラリー)を流し込みます。
2)枠とコンクリートの隙間は、油粘土(紙粘土)などで漏れ止めする。
3)木工用ボンドを水で2倍希釈したもの、アクリル系止水材等でコートする。
  *上記止水材の半乾き〜乾燥状態で加力点平坦化材を流し込みます。
  *コンクリートはアルカリ性のため石膏の硬化遅延して問題になることが多く、
   コンクリート表面をコートして、直接接触しない様にします。
4)ニューゾーロックを混水比0.25(石膏1kg/水0.25kg)で約2分間
  練和して、高流動性の石膏スラリーを準備する。
5)コンクリートと透明板ガラスの隙間(平坦化部分)に上記スラリーを流し込む。
6A)流し込み中あるいは流し込み後、鉄板又は枠に振動を与え、上記スラリーのセルフ
  レベリング性を利用して、鉄板に対する水平を得る。
―――6Aの平坦では、テストピースの平坦基準に達しない場合―――
6B)石膏スラリーをオーバーフローする程度に流し込み、5分程度放置して*、
  石膏スラリーが締り始めたら、気泡が入らない様に注意しながら、板ガラスを斜めにして
  押し付けながら枠に合わせて水平にします。
  *注意:放置時間は、水温、気温、撹拌時間、撹拌方法等の影響により、締りが出てくる
      タイミングが変動し、更に長めの時間が必要となることがあります。
  *注意:石膏スラリーがはみ出すため、枠にはワセリンかマシンオイルを事前に塗布して
      事前に防錆、剥離効果を付与しておきます。

解説
*ニューゾ―ロックは、通常の歯科用途の使用方法では混水比0.20ですが、
 混水比0.25にまで 上げると高い流動性・セルフレベリング性となり、
 平坦化(キャッピング)に最も適した高強度石膏製品となります。
*他製品、例えばゾ―ストーンでは、混水比0.30にすると高い流動性となりますが、
 セルフレベリング性があまり無く、水浮きが多い性状となってしまいます。
*ニューゾ―ロックを混水比0.25で使用した場合の圧縮強度は40MPa程度です。
 これ以上の強度が必要な場合は、流動性が低下しますが、混水比を低下させます。


注意:本回答は、下村石膏(株)研究室が作成したものです。
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