石膏利用の質問
18)石膏製品に品質変化はありませんか
回答
焼石膏製品の石膏成分は、硫酸カルシウム半水塩が100%ではありません。
実は、半水塩100%を狙って製造すると時間がかかり、硬化時間に影響する2水石膏が
残ってしまいます。そのため、一部無水石膏になるまで少し過剰に焼いています。
この時できた無水石膏は、空気中の水分を取り込んで半水石膏にさせることで、
焼石膏である硫酸カルシウム半水塩100%に持ち込みます。(この工程を熟成と言います。)
この時、焼石膏粒子の間に自由に移動できる付着水と呼ばれる水分子が持ち込まれます。
この状態で石膏製品として混合調整されて製品化され、
クラフト袋で半年、ポリ袋やアルミ袋の中で1.5年〜3年程度の使用期限で出荷されます。
クラフト袋はもちろん、ポリ袋も空気や水分を透過します。また、開封すると空気中の水分が
製品に混入してきます。(付着水の増加が起こります。)

石膏製品は品質変化します。
@袋の中でわずかに付着水が増加する程度なら硬化時間が少し長くなります。
 *これはメーカーも想定した品質許容範囲です。
A使用するため開封時間が短時間なら問題無いですが、開封放置されると付着水が一部半水石膏と
 反応して2水石膏となり、これが硬化促進する様になります。
 *これは過熟成(風邪引き)と呼び、作業性が悪化するまでになります。
 *梅雨時や真夏には、開封放置すると短期間でこの状態になることもあり、注意が必要です。


注意:本回答は、下村石膏(株)研究室が作成したものです。
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