石膏利用の質問
08)100gの焼石膏で出来る硬化体の体積は
回答
製作する石膏型の体積の概算を算出できたら、用途に合わせた石膏製品の種類と混水量(混水比)が
決まれば、次の方法で必要な焼石膏の量が計算できます。

100gの焼石膏は118.6gの2水石膏になります。2水石膏の比重2.32から理論体積は51.1ccです。
混水量50%なら、結晶に組み込まれない余剰水は50-18.6=31.4ccとなります。
理論通りなら、2水石膏の体積51.1cc+余剰水体積31.4cc=82.5cc
実際の体積は、理論値より多い約90ccとなりますが、その理由は硬化膨張だけでは説明できません。
2水石膏硬化体は、2水石膏の結晶の体積+水和に関与しなかった余剰水体積
+硬化膨張による体積増+αとなり、単純ではありません。
そのため、簡単な経験による計算式を紹介します。

100gの焼石膏で出来る硬化体の体積の簡易計算式
100gの焼石膏からできる硬化体の体積={混水量の%の数値(混水比の100倍)+40}cc
例:100g混水量75%の陶磁器型材用石膏の場合;75+40=115cc
例:100g混水比0.24の歯科用硬質石膏の場合:24+40=64cc
例:100g混水比0.5の歯科用焼石膏の場合=50+40=90cc

100gの焼石膏で出来る硬化体の体積の理論計算式
100gの焼石膏からできる硬化体の体積=2水石膏の体積(118.6/2.3=51.6)+余剰水の体積(混水量の%の数値(混水比の100倍)-18.6)cc
例:100g混水量75%の陶磁器型材用石膏の場合;51.6+(75-18.6)=108cc
例:100g混水比0.24の歯科用硬質石膏の場合:51.6+(24-18.6)=57cc
例:100g混水比0.5の歯科用焼石膏の場合=51.6+(50-18.6)=83cc

撹拌容器に付着ロス等を考慮した場合の石膏の準備量についてのアドバイス
簡易計算式の場合は5%を加算(計算結果より1.05倍程度石膏量の準備)を推奨します。
理論計算式の場合は10%を加算(計算結果より1.1倍程度の石膏量の準備)を推奨します。
*不足して継ぎ足し(Q&A参照)をできるだけ避けるため、多めの準備を推奨します。

注意:本回答は、下村石膏(株)研究室が作成したものです。
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