石膏利用の質問
22)硬化時間を早くしたいのですが
回答
焼石膏は水に溶解してから、硫酸カルシウム2水塩の針状結晶となって絡み合うことで硬化します。
石膏の攪拌・練和の間は、焼石膏の溶解を助け、発生した2水石膏の結晶が折れて次の種結晶となり
硬化促進します。言い換えれば、攪拌時間をより長くすることで結果的に硬化時間を早くできます。
過剰な攪拌でなければ、これが最も簡単で良好な石膏型を作成する方法です。
攪拌時間は変えないでもっと早くしたい場合は、
種晶となる2水石膏の微粉や硫酸カリウムなどの硫酸塩を添加すると、硬化時間を早くできます。

促進効果のある2水石膏微粉の製作方法をご紹介します。

@石膏硬化体を水中で粗砥石で削って沈殿したペーストをスプーンですくって、練和水に混ぜ込む。
(石膏トリーマーと呼ばれる装置の排水を集めても利用できます。)
A乾燥した石膏硬化体をやすりで削って、微粉分だけを篩分けして、練和水や焼石膏に混合する。
B焼石膏50gを1リットルの水に散布、硬化しない様に時々攪拌して、翌日沈殿したペーストを利用する。

使用上の注意:
@2水石膏硬化促進剤は、指先に粒を感じ無い程度の微粒子にすることが大切です。
A焼石膏に対して1%程度以内なら強度低下の悪影響も無く、硬化促進が可能です。

注意:本回答は、下村石膏(株)研究室が作成したものです。
   ご意見、質問がありましたら、質問と同様にご連絡をお願いいたします。